「ほしのこえ」について
 本作は自主制作アニメーションとして2002年2月に下北沢トリウッドにて公開されました。当時普及し始めていた携帯メールをモチーフに、宇宙と地上にわかたれた少年少女の超遠距離恋愛を描いたSFロボットアニメ作品です。
 「一人で作った」等の話題性からか思惑をはるかに超えるヒットとなりましたが、今となっては自分では見返すのも忍びないとても稚拙な作品です。いっそ封印してしまいたいくらいですが、未だに「ほしのこえ」が一番好きだという観客もいてくださるのでそうもいきません。
 この作品を制作していた2001年前後というのはインターネットが急速に一般化しつつあった時代であり、コンピュータとそのソフトウェアが年々高機能化・低価格化していった時代でもあります。そういう状況を背景に「何か新しい作られ方・流通の仕方・観られ方」をするような作品を人々は無意識に求めていたのかもしれず、そして「ほしのこえ」はたまたま、パズルのピースのようにあの時代のくぼみにはまった作品の一つであったのだろうと今では思います。
物語
 2039年、火星に向かった有人探査チームはタルシス台地のクレーター中に異文明の遺跡を発見するが、突如出現した異生命体に全滅させられてしまう。が、一方でその遺跡から発見された数々のテクノロジーにより、人類の科学水準は一気に半世紀以上の飛躍を遂げる。さらに、太陽系外縁には異生命体(タルシス台地にちなんで「タルシアン」と呼称される)の遺跡と推測されるワープポイント、通称ショートカット・アンカーが発見され、人類は恒星間航行への手段も手に入れることとなった。
 その後、いずこかへ去ったタルシアン調査のために国連宇宙軍戦艦リシテア、レダ、ヒマリア、エララの4隻が建造され、2047年には1000名以上の選抜メンバーによる調査団が組織される。

 関東某県の中学に通う長峰美加子と寺尾昇は同級生。同じ部活で仲の良いふたりだが、中学3年の夏、ミカコは国連軍の選抜メンバーに選ばれたことをノボルに告げる。翌年2047年冬、ミカコは地球を後にし、ノボルは高校に進学する。
 地上と宇宙に離れたミカコとノボルは携帯メールで連絡をとりあうが、リシテア号が木星・エウロパ基地を経由して更に太陽系の深淵に向かうにつれて、メールの電波の往復にかかる時間は開いていく。ノボルはミカコからのメールだけを心待ちにしている自身に苛立ちつつも、日常生活を送っていく。やがてリシテア艦隊はワープを行い、ミカコとノボルの時間のズレは決定的なものへとなっていく……
予告編
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コメント

  • 悲しすぎた作品
    切ない

    2012年1月27日 11:51 PM | yagi

  • 一目惚れでした。
    もっと新海さんのロボット作品が見たいです。
    というか、今の新海さんが描くロボット作品が見たいです。

    2012年3月17日 11:32 PM | やすも

  • 物語のシナリオに心を打たれました。
    あまり感じなかった人との距離も今一度考えさせられました。

    「マクロスシリーズ」の河森 正治さんと一緒にロボット作品を作ったらすごそうだなと思いました。

    4/28のwowow楽しみにしています。

    2012年3月18日 5:49 PM | kame15

  • おお懐かしいが…

    youtubeでURDAを発見。 作者本人、ロマのフ比嘉さんがアップロードしているようです。 当時、新海誠監督の「ほしのこえ」と同じ頃に発表されていたと思いますが 今になって初めて見ました。 むかし、アニメを作りたいと専門学校へ進学したのを思い出します。 今思うと大学に行っておけばっとかなり後悔してます…… だって、再就職で応募用件に”大卒”って項目が多すぎるので……

    2012年5月9日 7:00 PM | coltyness

  • 初の海外出張で米国の土を踏んだのが9.11の2日前という魔の悪さで、空を見上げても飛行機が一機も飛んでいない日々を暫くの間過ごす事になりました。諸々の逆風と経験不足の中、なんとか切り抜けて無事日本に帰って来たときには季節が幾つか変わっていました。そんなこんなで少し仕事に自信が持てるようになった頃、この作品のことを知りました。「ねえ、やっとここまで来たね」というセリフを聞いたとき、あたかもそれが自分に向けられた言葉のように感じられて涙が溢れるのを抑えることができなかったことを、昨日のことのように覚えています。
    早いもので、あれから10年余りの月日が流れてしまいましたが、この場を借りてお礼を申し上げます。本当に素晴らしい作品をどうも有り難うございました。深海監督の一層のご活躍を心よりお祈り申し上げております。

    2012年9月29日 9:36 PM | Rouge Translator

  • 主題歌に惹き寄せられたのがきっかけでこの作品を見ました。やはり新海さんの作品でした。
    メールのやり取りを基にしたこの作品は、現代でも共感できる人は多いと思います。
    普段はスムーズにやり取りできるように思える「メール」ですが、距離、電波、バッテリー、データ、個人の気持ち…
    それらが一つでも失ってしまうと遮られてしまう。
    そんなデリケートな方法でしかやり取りできない状況をうまく描いています。

    この作品のせいで星を見ると切なくなってしまいます(笑)

    2013年1月23日 4:57 PM | ぞん

  • 少しずつアップされていく映像を見ながら完成を心待ちにし、トリウッドでぼろぼと泣いた記憶がまだ鮮やかです。
    今回再開して、また涙してしまいました。
    あれから世界はすっかり変わってしまったけれど、ミカコとノボルの想いは変わらないですね。

    2013年6月1日 9:05 PM | HIRO

  • BlueRay あるでいいのに。。。

    2013年6月9日 2:56 AM | 匿名

  • ваши работы прекрасны!

    2013年8月15日 4:16 AM | Доржу

  • 星追いと秒速の後に観ました。非常に深いというか、切ないというか。何か大変なものを観てしまったなと。この作品の解説が見当たりませんので、前者の2作品を観てなかったら意味深なままだったかも知れません。コスモナウトとアガルタを聞いたときは思わずはっとしました。
    メール履歴に、ワープや戦闘シーン、ロボットの中のミカコ、ノボルが家に帰って部屋に舞う細かい埃のシーンとか色んな場面で時間が経過する様やその隔たりだったり距離感と二人の心が時が経つに連れてボロボロになっていく様子を表しているのでしょうか?
    最後はすごく切ないけどそれに打ち勝つ力はきっとある。というか、境地の極みというのか、難しいです(泣)
    携帯は物語の中で大事な物だと思うんですが、何か別の意味が隠れているような気がするのは気のせいでしょうか?
    まだ雲のむこうだけ観てませんが、今まで一番重みのある深い作品でした。

    2013年9月11日 3:54 AM | 匿名

  • 3:54に投稿したものです。一人で制作されたということですが、言の葉を観てから思ったのですが、リメイクと長編化したら映像的にもストーリー的にもすごいものになりそう…。

    2013年9月11日 6:42 PM | 匿名

  • 一方「UQHOLDER」では
    宇宙に行こうとしています

    2014年2月16日 1:38 PM | 浪岡真

  • 素晴らしい作品でした。
    ご本人は稚拙なとおっしゃっていますが、作者の素晴らしい作品のうちのひとつだと思います。またSF作品を観てみたいですね。

    2014年11月22日 6:14 PM | ヨシ

  • 昔見たことがあり、とても印象に残っています。見たのは幼少期でしたが、印象深く記憶に残っています。メールやインターネットなど17歳になりより身近になったこと、青春という今を生きているからこそ思い出せました。独特の雰囲気といいリアリティーかつ非現実、凄いと思います。

    2015年4月13日 7:44 PM | きっくん

  • 初めまして。
    前々から気になっていたことがあり、コメントさせていただきました。
    この「ほしのこえ」に出てくるコスモナート(恒星間宇宙戦艦)と、秒速5センチメートルの第二話の作品名「コスモナウト」
    そして同じく「ほしのこえ」に出てくる惑星アガルタと、星を追う子どもに出てくる地下世界のアガルタ
    この二つには何か共通点があるのですか?

    監督の奥深く繊細な作品に感動いたしました。
    これからも応援しております。

    2015年6月7日 12:42 PM | 一宮 奏

  • たまたま検索をしていたら、小説版を発見し、購入させて頂きました。

    アニメーションを拝見してから10年は経つのですが、私が新海誠さんの作品を夢中にさせた初めの作品でしたから、依頼ずっと全ての作品のDVDは購入させて頂き、私の人生に欠かせない物となっております。

    小説版があったのはつい最近でした。
    そもそも、アニメーションの方で、切なく、この後はどうなってしまうのだろう…そんな心残りと、尾を引くような不甲斐ない感情が印象的な作品でしたが、仕事が休みだったので、ふと小説版を開いて衝撃を受けました。

    25分程度のアニメーションに込められた背景が見え、まるでその空間を共有し、吸い込まれていくような感覚でした。

    特に、最後のシーンは、待ち望んでいたアフターストーリーに、涙が止まらなくなってしまったと同時に、ほっと致しました。

    新海誠さんの作品は、本当に奥が深い。
    何度も何度も、読み終えた後も、振り返ってみて、「なるほど、そういう事か」と、新しい発見がいくつもまた出てきます。

    これからも楽しみしておりますのと同時に、二人の、又は他の友達のアナーザーストーリーみたいな物も描いて頂けたらな…と、個人的には望んでおります。

    2016年2月3日 10:51 PM | 上遠野

  • […] たまたま大阪で観に行った上映プログラムに新海誠監督の「ほしのこえ」が入っていました。今まで観たことがなかった画面の構図、色彩、ストーリー、カット割り、電柱のシルエット、間、すべてが自分の中にすっと入ってきて、ただのアニメとは感じられず、これをなんと表現したら良いのだろうと思いました。 […]

    2016年9月5日 3:09 PM | エンドロールを追いかけて、君の名は。 : USAMURA magazine

  • […] 携帯メールをモチーフに、宇宙と地上にわかたれた少年少女の超遠距離恋愛を描いたSFロボットアニメ作品 Other voices-遠い声- » 「ほしのこえ」 […]

    2016年9月20日 3:15 AM | 映画『ほしのこえ』(新海誠) を観て

  • わたしは 日本語をしりません。
    10ねまえ、このえいが をみました。
    えいご。おねがいします。
    Sorry about that. but i want show you my dream.
    I wish you can remake this movie.
    more beautiful, longer, i need end. like manga or your mind.
    このえいがはいちばんすきです。
    ありがとうございます。

    2016年11月2日 7:24 PM | Mai Manh Duy

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