「君の名は。」 -CATEGORY-

2017年、2018年。

2017年12月31日 7:31 PM, カテゴリー: 「君の名は。」, 近況ほか コメント(60)

2017年の前半は、未だに映画『君の名は。』の残響がかしましい日々でした。
なんだか周囲の状況が気づけば一変してしまっていて、会ったこともない人が映画を飛び越えて僕自身の生活だの人生だのについてまでなにかを言っていて、それが関係のない場所から耳に入ってくる、そんなことも増えました。それはそれでありがたい気もするけれど、やっぱりぜんぜん嬉しくはないのです。

とにかく次の映画に行きたくて、春が来る前にと新作映画の企画書を映画会社に提出し、プロットを書き始めました。しかし始めてみたら、今までの作品の中でいちばんの難産となってしまいました。なぜこんなに難しいんだろうと自分でも困惑しながら、方向性の違うプロットを何本も書き連ねました。半年以上かかってようやく脚本は完成したのですが、今になって思うのは、僕自身が誰よりも強く『君の名は。』の影響下にいてしまっていたのだと思うのです。あの映画のこだまが自分にとってはあまりにも大きくて、それをもう一度聴きたいような、聴かせなければいけないような気がして、ずっと迷っていたのです。でもたぶん、その残響もようやく晴れたような気がします。

新しい映画は、届かない空に必死に手を伸ばし続けるようなひとの話にしたいと思っています。制作作業はまだまだこれからが本番です。2018年は、僕にとっては新作映画のためだけに費やす1年です。発表できるのはまだずいぶん先ですが、また皆さんに楽しんでいただける映画にしたいと強く思っています。

旧年中はたいへんお世話になりました。新作を作ることができるのも、ずっと見続けてくださっている皆さまのおかげです。2018年も、お互いに良い年になりますように。


2016-2017 下の画像は映画『君の名は。』で最初に描いたイメージイラスト(企画書の表紙)です。そこから2年後の2016年8月に本作は劇場公開され、年末の12月現在でも、全国の多くの映画館でロングランが続いています。当初の願いや予想を遥かに超えて、『君の名は。』はとても遠くまで、多くの方に届いた映画になりました。感謝にたえません。
 このサイトを見てくれているような「あなた」ならば、まさかこんなことになるなんてと驚いたことでしょう。「新海の映画がヒットするなんて」と。その通り。僕も「あなた」と同じように驚いています。僕自身は2002年の『ほしのこえ』からたいして変われていないのだから、これはもう素晴らしいスタッフの力と、ずっと僕の作品に付きあってくれてきた「あなた」のおかげに他なりません。
 2017年は僕にとっては新しい映画を作り始める年になります。「またゼロから始めるのか」とやや途方にもくれますが、未だ語られていない物語の前に立っている、という感覚には独特の昂ぶりもあります。また「あなた」に観ていただける作品が作れますように。かえすがえすも2016年はありがとうございました。2017年も、お互い良い年になることを願います。
2016年12月31日 新海誠

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『君の名は。』の脚本を書きはじめたばかりの頃、プロデューサーから「今作の音楽は誰とやりたいか」と問われ、実現の可能性を考えもせずRADWIMPSが好きだと答えました。その後、思いがけず野田洋次郎さんにお会いする機会に恵まれ、正式に一緒にやろうと決まった時から今この瞬間まで、ずっと夢を見ているようにしあわせです。

(さらに…)


新作映画『君の名は。』の制作発表をさせていただきました。公式サイトは http://www.kiminona.com です。そちらには特報映像もありますので、ぜひご覧ください。

ここは僕の個人サイトですので、以下、制作にあたってのご挨拶のようなものを自分の言葉で書かせていただきました。 http://shinkaimakoto.jp/kiminona/ ご興味のある方はご覧くださいませ。